研究
研究型プロジェクトをベースに,実務的な問題から生じた社会的課題に取り組んでいます。特に,時代とともにもたらされたデジタル変革が及ぼす影響や将来を見据え,あらゆる側面において,より良い方法を見出すための研究を進めています。これらの研究成果は,社会実装を通じて,様々な分野での活用が期待されています。 研究成果は主に以下の分野で活用されており,産業界からも高い評価を得ています。また,これらの研究は,企業や大学との共同研究により,より実践的な場面での検証も行われています。フィールド調査を通じてデータの収集と分析を行い,その結果を基に新たな知見を得ることで,より効果的な解決策の提案につなげています。 さらに,これらの研究成果は,学会や論文等で発表され,多くの研究者からも注目されています。特に,オンライン実験が可能となることで考えられる新たな研究手法の確立に向けても取り組んでいます。
1. 研究背景と目的
主な研究内容:
- 山梨県の道路整備状況の現状分析
- 道路整備による走行時間短縮便益の算出
- CO₂排出削減効果の評価
- 経済効果の分析

またこのような研究活動以外にも,都上八幡の地に開する調査や活用にも取り組む団体「NPO法人 都上八幡の学校」が主催するオープンキャンパスへの参加しているほか,2022年度からはサテライト研究室「sacco lab」を開設し,地域住民の方々との交流を重ねながら,研究の成果を発信する活動を行っています
2. 研究方法
2.1 道路ネットワーク分析アルゴリズム
本研究では以下の2つのアルゴリズムを使用して道路ネットワークを分析しました:
Dijkstraアルゴリズム
最短経路探索のための基本アルゴリズムとして使用しました。
Dijkstraアルゴリズム
𝑐𝑖: 𝑖 ∈ 𝐾, 𝑐𝑖: 𝑖 ∈ 𝐾
2.2 交通量推計モデル
以下のステップで交通量を推計しました:
- 人口分布から発生交通量(𝑃)を算出: 𝑃 = 𝑆 × 𝐴/1000
- ピーク時交通量(𝑃ピーク)の算出: 𝑃ピーク = 𝑃 × 𝐵
- ピーク時交通量を台数(𝑉ピーク)に変換: 𝑉ピーク = 𝑃ピーク × 𝐶
- 時間あたり車両台数(𝑁cars/hour)の算出: 𝑁cars/hour = 𝑉ピーク/(𝐷×𝑇)
パラメータ | 説明 |
---|---|
S | 地域人口(人) |
A | 発生原単位(トリップ/千人) |
B | ピーク率(%) |
C | 平均乗車人数(1.0人/台) |
D | 平均乗車人数(1.0人/台) |
3. 研究結果
3.1 便益計算結果
整備区間 | 年間便益(億円) | 50年間総便益(億円) | 貨物便益(億円) | 時間便益(億円) |
---|---|---|---|---|
区間1 | 9.13 | 30.42 | 0.14 | 0.28 |
区間2 | 22.54 | 41.05 | 0.34 | 0.71 |

またこのような研究活動以外にも,都上八幡の地に開する調査や活用にも取り組む団体「NPO法人 都上八幡の学校」が主催するオープンキャンパスへの参加しているほか,2022年度からはサテライト研究室「sacco lab」を開設し,地域住民の方々との交流を重ねながら,研究の成果を発信する活動を行っています。
4. 考察と結論
本研究の主な結論:
- 計測されている道路整備は、走行時間短縮による経済便益が大きい
- 特に区間2の整備効果が顕著であり、費用対効果の観点から優先的に整備すべき
- 災害時の代替経路確保という観点からも、道路ネットワークの強靭化に貢献
- CO₂排出削減効果も期待でき、環境面での効果も大きい
今後の課題:
- より精緻な交通量推計モデルの開発
- 災害時のネットワーク信頼性評価手法の確立
- 便益の地域別分配に関する分析
参考文献
- 国土交通省,「道路整備効果事例集」,2021年3月
- 山梨県,「道路整備に関するプログラム6」,2025年1月1日
- 宮崎・高山,「道路投資の費用便益分析」,1996年
- 国土交通関東甲信地方整備局,「費用便益分析マニュアル」,2025年1月1日
- 国土交通省,「平成25年度 道路交通センサス」,平成26年3月
- 山梨県,「山梨県交通計画素案」,2025年1月1日
- 山梨県,「高速道路整備効果調査計画」,2025年1月28日